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デュラシールで仮封!詰め方のコツとオススメの患者様への説明法とは?

デュラシールで仮封!詰め方のコツと患者様への説明法とは?

仮封材として頻繁に使用されるデュラシール。

DHゆい
DHゆい

歯科衛生士であればそのお仕事を任せられるという方も多いのではないでしょうか?

しかし流動性のある材料なだけに、苦戦するケースも少なくありません。

 

今回はデュラシールをうまく詰めるコツと、その後の患者様への説明法についてまとめました。トラブル回避のためにも是非目を通して頂ければと思います。

デュラシールをうまく詰めるための6つのコツ

デュラシール6つのコツ

デュラシールに限った事ではありませんが、何か技術を取得するためには、まずはそのものの性質や特徴を知ることが大切です。

デュラシールの場合であれば“硬化までのサイクル”と“咬合調整のタイミング”がそれに当てはまるかと思います。

  • 硬化までのサイクル
  • 咬合調整のタイミング

その二つを意識して以下のポイントを実践してみましょう。

  1. 形成部位の形を把握する
  2. 材料を合わせる前に声かけを行う
  3. 水分多めは失敗の元!液は筆先1/3でOK
  4. 隣接面を含めた窩洞の場合は、隣接面から詰める
  5. 隣接面に盛った余分な量を咬合面に流す
  6. 咬合調整は柔らかすぎないタイミングで

一つずつ詳しく見ていきましょう。

1.形成部位の形を把握する

形成は歯科医師が行いますが、アシスタントの位置からは正確な形は把握できません。

仮封を任せられたら、デュラシールの液と粉を触る前に一度は必ず自分自身で形を確認しましょう。

特に最も難しいとされる上顎大臼歯は、遠心や隣接面など目視できない部分が多数存在します。

窩洞の深さや傾斜具合をミラーを使って確認してください。

2.材料を合わせる前に声かけを行う

デュラシールの液と粉を混ぜる前に仮封部位の乾燥が必要になりますが、その後口腔内から目を離すタイミングが少しでもあるのであれば、「これから仮の詰め物をしますので、お口は開けたままでお願いします。」などと一言声をかけることをおすすめします。

特に、ご年配の方や顎関節症である方はお口を閉じやすい傾向にあり、そうでなくとも次に何が行われるのか把握できていなければ、口腔内に器具が入っていない時間はできるだけお口を閉じていたいと思うものです。

材料を混ぜ合わせた後に、唾液の付着に気づき、また乾燥からやり直し…ということにならないようお気を付けください。

3.水分多めは失敗の元!液は筆先1/3でOK

デュラシールに限らず、慣れない材料を扱うときにやりがちなのが効果時間を気にしすぎて失敗するというもの。

模型を使っての練習時に比べると、確かに口腔内の方が効果までの時間は早くなりますが、吸収性のある模型とは違い、口腔内では材料の水分が歯に吸収されにくいのでその分流れが早くなります。

流動性がありすぎると盛りづらいだけでなく、隣接歯にまで付着してしまい、後始末に余計に時間がかかってしまいます。

液の量は筆先の三分の一で留め、まずは粉を多めにして玉をつくりましょう。(重さが増すので筆から落ちやすくなります。仮封部位までの移動で落とさないように注意してください。)

4.隣接面を含めた窩洞の場合は、隣接面から詰める

液と粉を合わせて作った玉が硬めだと、しっかりと窩洞を埋められているかが心配になるという方が多いのですが、窩洞を埋めるための適切な柔らかさは、一旦硬めに作った玉を盛った後に再び少量の液を付けた筆を使って調節していきます。

そうする事で柔らかすぎて他の部位にまで流れるという失敗を回避することができます。

まずは、隣接歯との境目に壁を作るイメージで隣接面から盛るようにしましょう。

ポイントは、隣接面に盛る量を咬合面より少しだけ高めにすることです。

5.隣接面に盛った余分な量を咬合面に流す

咬合面より少しだけ高めに盛った分を、筆を使って素早く咬合面の窩洞に流します。

その際、重力によって垂れやすくもなりますので、余分な量を隣接面に盛った段階から咬合面の窩洞に流し終えるまでは、筆先は歯牙から離してはいけません。(遠心隣接面に窩洞がある場合は、すくうようにして咬合面に流し込みます。)

しっかりと窩洞に材料が広がっているのを確認した後に、足りない分を新たに用意するようにして下さい。

6.咬合調整は柔らかすぎないタイミングで

材料を混ぜ合わてすぐの咬合調整は、対合歯に付着して仮封の量が減ってしまったり、それによって形が崩れてしまう恐れもあります。

まだ柔らかすぎるなと感じたら、エアーを1~2秒ほどかけて表面の硬化を少しだけ早めると丁度良い柔らかさになり、咬合調整もしやすくなります。数回噛んで頂き、余分な量を素早く筆で拭って完成です。

次は患者様への説明の仕方についてまとめました。

仮封後の患者様への説明の仕方

デュラシールの患者様への説明法

デュラシールをうまく詰められても、その後の説明が不十分であってはすぐに取れてしまったり、場合によっては患者様を不快にさせてしまい、それがクレームに繋がる恐れもあります。伝えるべきポイントは以下の3つです。

  1. 取れやすい材料であるという事
  2. 取れてしまった際に起こり得るリスク
  3. 患者様ご自身で行う取れない為の工夫

1.取れやすい材料であるという事

仮封材だけでなく仮着材の場合もそうですが、あくまで“仮のもの”であることを、まずは患者様ご自身に納得してもらう必要があります。

次の段階に進むまでの仮の詰め物や材料であり、いずれ取る前提のものであるという事、取れにくい材料を使用してしまうと取りたいときにすぐに取れなかったり、削る可能性がでてくるという事を伝えましょう。

あえて他の材料に比べて取れやすいものを使用しているという事実とその理由をしっかりと伝える事が大切です。

2.取れてしまった際に起こり得るリスク

取れやすい材料であっても、取れてしまっては困るのがデュラシール含めた仮封材ですね。

取れてしまった際に起こり得るリスクを説明した上で、そうならない為の工夫を伝えると聞き手の理解も深まりますのでオススメです。

特に、インレーの仮封でその歯が有髄歯である場合は、仮封が取れてしまうと、しみたり痛みを伴う恐れもあります。

歯の移動を防ぐ目的があるなど、ケースによって説明内容に多少の違いはありますが、トラブル防止として取れてしまった場合の起こり得るリスクは、事前に説明した方が無難です。

3.患者様ご自身で行う取れない為の工夫

お手入れ方法についても、しっかり伝えておく必要があります。

取れやすい材料であっても汚れを取る為には歯ブラシの毛先を当てなくてはなりません。

普段、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってみえる方であれば、取れる可能性は高くなりますので、仮封材のある部位は避けて使用するよう伝えましょう。

爪楊枝も同じです。

また、粘着性のある食材は仮封した部位とは逆の場所で噛むなど、“絶対にしてはいけない”という特定の歯を限定した言い方よりも、“その部位以外であればしても良い”という口腔内全体を含めた表現の方が、相手に受け入れられやすいのでオススメです。

まとめ

いかがでしょうか?

デュラシールを使っての仮封は、けして簡単なものではありませんが、コツさえつかめれば、あとは慣れるだけです。

これを機にどんどんチャレンジしてみて下さいね。

また仮封は、しっかりと注意事項や説明をするまでが仕事であると個人的には思っています。

その後のトラブルを避けるためにも、患者様の納得のいく説明を意識してみて下さいね。

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歯科衛生士ゆい
歯科衛生士ゆい
現役歯科衛生士をしている「ゆい」です。毎日多くの患者様と接しています。お口のことは専門用語が多くてわかりにくいことありませんか? コラムを通じてお口の健康を保つための知識身につけるお手伝いになればうれしいです。